DNS レコードの種類:A・AAAA・CNAME・MX・TXT・NS など
最終確認:2026/10/20
DNS は example.jp のような名前を、ブラウザやメールサーバーが必要とするアドレスや設定に変換します。一つひとつの情報が種類を持つレコードです。よく使う十数種類を知っていれば、ウェブサイト、メール、認証用レコードを迷わず設定できます。
要点
- A と AAAA は名前を IPv4 または IPv6 アドレスに向け、CNAME は名前を別の名前の別名にします。
- MX はメールを受け取るサーバーを示し、TXT には SPF・DKIM・DMARC や認証コードなどのテキストを入れます。
- NS レコードはドメインをネームサーバーに委任します。これを変えると DNS 全体が別の場所に移ります。
- 変更はどこかに配信されるわけではありません。リゾルバは TTL が切れるまで古い応答を使い続けます。
よく使うレコード
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| A | 名前 → IPv4 アドレス | example.jp A 203.0.113.10 |
| AAAA | 名前 → IPv6 アドレス | example.jp AAAA 2001:db8::10 |
| CNAME | 名前 → 別の名前(別名) | www CNAME example.jp |
| MX | メールサーバーと優先度(小さい数字が優先) | example.jp MX 10 mail.example.jp |
| TXT | 自由なテキスト:SPF、DKIM、DMARC、所有権の確認 | v=spf1 include:_spf.google.com ~all |
| NS | ドメインの権威ネームサーバー | example.jp NS ns1.provider.net |
| SOA | ゾーン情報:プライマリサーバー、シリアル番号、各種タイマー | DNS 事業者が自動で作成 |
| CAA | SSL 証明書を発行してよい認証局 | example.jp CAA 0 issue "letsencrypt.org" |
| SRV | SIP や XMPP などのサービスのホストとポート | _sip._tcp SRV 10 5 5060 sip.example.jp |
| PTR | 逆引き:IP → 名前。IP の所有者(ホスティング事業者)が設定 | 10.113.0.203.in-addr.arpa PTR mail.example.jp |
トラブルになりやすいルール
- ルートドメイン(example.jp そのもの)には CNAME を設定できません。ルートには NS と SOA もあり、CNAME はほかのレコードと共存できないためです。ルートには A/AAAA を使いましょう。多くの事業者が ALIAS/ANAME や CNAME フラット化を用意しています。
- CNAME を設定した名前にはほかのレコードを置けません。CNAME のサブドメインに MX や TXT は追加できません。
- MX と NS はホスト名を指す必要があり、IP アドレスや CNAME を直接指してはいけません。
- SPF レコードは 1 つの名前に 1 つだけです。ほかの目的の TXT レコードが複数あるのは問題ありません。
- 管理画面によっては末尾のドットが重要です。
mail.example.jp.は完全な名前で、ドットがないとドメインが自動で付け足されmail.example.jp.example.jpになることがあります。
TTL と「浸透」
すべてのレコードには秒単位の TTL(有効期間)があります。プロバイダや公開 DNS のリゾルバは、その間応答をキャッシュします。レコードを変更しても、古い値をキャッシュしたリゾルバは TTL が切れるまで古い値を使い続けます。これが「DNS の浸透」と呼ばれるものの正体です。
変更は計画的に行いましょう。サイト移転の前日に、変更するレコードの TTL を 300 秒(5 分)に下げ、移転後に 3600 秒以上に戻します。ネームサーバー(NS)の変更はさらに時間がかかります。上位ゾーン(.com など)の NS レコードの TTL は最大 2 日ほどあり、その間待つリゾルバもあるためです。
否定応答もキャッシュされます。名前を作る前に問い合わせると、「存在しない」という応答がゾーンの SOA で決められた否定 TTL の間保持されることがあります。
よくある設定例
- ホスティング上のサイト:example.jp に A(あれば AAAA)、www は example.jp への CNAME。
- Google Workspace や Microsoft 365 のメール:指定された MX、SPF の include、CNAME/TXT 形式の DKIM、DMARC レコード。詳しくは SPF・DKIM・DMARC のガイドをご覧ください。
- Google Search Console などの所有権確認:ドメインに TXT レコードを 1 つ追加します。SPF と共存できます。
- SaaS(ネットショップ、サポート窓口など)用のサブドメイン:
shop CNAMEをサービス側が指定するホスト名に向けます。
レコードを確認する
- ドメインを検索すると、A、AAAA、MX、NS、TXT などを 1 か所で確認できます。
- DNS 浸透チェックは、世界各地の公開リゾルバと権威ネームサーバーに新しい値が見えているかを問い合わせます。
- メールセキュリティチェックでは MX、SPF、DKIM、DMARC を確認できます。
情報源
- RFC 1035 – Domain names: implementation and specification
- RFC 2181 – Clarifications to the DNS specification
- RFC 2308 – Negative caching of DNS queries
- RFC 8659 – DNS CAA resource record
- IANA – DNS parameters
このガイドは公開情報をまとめたもので、法的助言ではありません。